ITPとITP Campから思うこと
ニューヨーク大学大学院 ティッシュスクール・オブ・ジ・アート インタラクティブ・テレコミュニケーションズ・プログラム(日本語表記するとめちゃくちゃ長いですね)、略してITP。
11年ぶりに戻ってきて、そのユニークさを体験し、学びに対する考え方を改めて考えさせられました。 まずITPを修了すると、Master of Professional Studies(MPS)を取得できます。 これは、最近日本でもよく聞くようになった、専門職大学院という位置付けに近い教育プログラムだということを示しています。 ですから、アカデミックというよりも、実践を重んじたカリキュラム構成になります。 また、教育内容も授業が主体で、授業を通してテクノロジーを中心とした、さまざまな分野とのInterdiciplinary分野に触れられるように、設計されています。 そのような教育方法から、フルタイムファカルティは少なめ、非常勤講師は非常に豊富という組織構成になっています。(IMAという学部が設置されてから、フルタイムファカルティはだいぶ多くなりました) この組織構成の良い点は、移り変わりが非常に早いIT業界のトレンドを、いち早く授業に反映させることができるという点にあります。
集まってくる学生も特徴的です。 さまざまなバックグラウンドを持った学生が集まってきます。 学部を卒業して直ぐに入学した人、大学院を修了した後に入学した人、仕事を辞めて更なるキャリアアップを目指して入学した人、リタイヤ後に入学した人、そして入学時に学生が有している専門性も多様です。 ちなみに、私は留学するまで、地球環境科学研究科の博士後期課程の大学院として海洋学を研究していました。 僕のバックグラウンドがユニークだったため、アクセプトされたと入学後に聞きました。 また、NYU自体留学生が多い大学なのですが、ITPもアメリカ人よりも留学生の方が多く、在籍者の約6割が留学生です。 留学生は、世界各国から集まってきます。 ブラジル、ベネズエラ、メキシコ、イギリス、イタリア、ギリシャ、スペイン、ドイツ、スイス、タイランド、インド、韓国、中国などなど、多様すぎて全て列挙できません。 このように、学ぶ内容も多様、各自が持つ専門性も多様、文化的背景も多様、年齢も多様なのが、ITPの環境です。 この多様性は、日本にいるとなかなか経験できるものではないですが、ITPと同じような特徴を持つITP Campに明星大学の大学院生が参加できたことは、学生の考え方や、今後の研究や人生に大きな影響を与えるだろうなとしみじみ思うのです。 こうしてITP, ITP Campについて改めて思いを巡らせると、今回ITP Campに参加した学生の今後が楽しみになります。